新しい挑戦へ、
先陣をきるSYSTEM ENGINEER後藤 大輝

「大好きな演技を続けたい」
声優養成所に通いながら
Lifebookで働く

高校を卒業後、声優になるため上京し、養成所に通っていた後藤大輝がLifebookと出会ったのは19歳のときだった。「Lifebookという会社がプログラマを探している」と知人から聞いた後藤は細貝に会い、アルバイトとして働くことになる。工業高校でプログラミングを学んではいたが、社会人としてプログラミングの仕事をするのは初めてだった。

「当時は『食い扶持を稼がないといけない』という現実もあったので、『とにかくやってみよう』と思いました。やっぱり演技を続けたかったから……自分以外の誰かになれて、その人生を追体験できる“演技”というものがすごく好きだったんですね。なので、食べるためにLifebookで仕事をして、休日は演技に充てていたという感じです。社員の人たちがみんなで僕の舞台を観に来てくれたこともありましたね」

演技とプログラミング。まったく違うもののように思えるが、後藤のなかではふたつが互いに影響し合い、良い効果をもたらしていたようだ。

「演技をしていたおかげで、仕事のうえでの気持ちの切り替えがパッとできるようになりましたし、プログラミングでロジカルな頭の使い方をしていたおかげで、演技の組み立てがうまくいくこともありましたから、両方できていたのは良かったなと思います」

自分の武器となるものを
磨くためにも
アルバイトから正社員へ

2018年にアルバイトから正社員となった後藤。提案したのは会社側だったという。「アルバイトだと職歴にならないから、職歴をきちんと作る意味でも正社員になってみない?」と言われ一瞬ためらうも、「責任を背負えるだけ背負って、とにかくやってみよう」と思ったそうだ。と同時期に、演技からも少し距離を置こうと決意する。

「もちろん、演技はずっとやっていたいという思いもありますが、そっちばかりに向いていたら凝り固まってしまうだろうとも思ったんです。演技だけじゃなくて、ほかのことにも目を向けてみたいと思ったときに……これまでのように仕事して、演技して、さらにほかのこともってなると時間が圧倒的に足りないんですね。全部にきちんと向き合えなくなりそうな気もしたので、一度演技とは距離を置いて、ほかのことをやってみようと思いました」

演技と距離を置き、働き方も変えよう。そのなかで“Lifebook以外の会社に目を向ける”という選択はなかったのかと問うと、後藤は即答した。

「まったくなかったです。社会に出ていくための武器が自分には圧倒的に不足していると思っていましたし、Lifebookはその武器を磨くために最適な環境だと思いました。それに……みなさん良い意味でマイペースなところも(笑)自分の肌に合っていたので、恵まれた環境を投げ出してまで別のところで挑戦しようとは思いませんでした。まずはLifebookで自分の武器になるものを磨くことに集中したいと思っています」

働き方を変えたことで、仕事への向き合い方も変わったという。ダラダラと残業するのではなく、自分の時間を作るためにも「どうやって効率的に仕事をするか」について考えるようになる。

「プログラムに対して、以前は『とにかく動けばいい』という意識が少なからずあったと思いますが、いまは『他の機能やシステムで再利用できるようなものにしておきたい』と、汎用的に使えるような設計を意識しています。最初は時間がかかるかもしれませんが、後からそれを再利用できれば、そのぶんスピードが上がるので。効率のいい、キレイなプログラムを作る方法を自分で探すようになりました」

Lifebookでの役割は
「先陣をきって
新しいことに挑戦する」

Lifebookでの後藤の役割は、本人の言葉を借りると「新しいことに挑戦する際の“鉄砲玉”みたいな感じ(笑)」である。Lifebookで手がけたことのない技術を用いて、新しいものを作る──後藤に課せられたミッションである。

「自分としても、新しい技術や、やったことのないものを吸収することが好きなので、いまの役割はすごく向いていると思います。責任も重大だし、自分で調べて解決していかないといけないので大変なこともありますが、そのぶん、できたときの達成感がとても大きいですから。ずっと調べ続けてもわからなかったことが、あるとき突然『あれ? これでできるんじゃないか?』って閃いたときの喜びといったら……気持ちいいですよね(笑)」

AIの技術を使ったアプリ「アクアビーズカメラ」(※ エポック社提供)も後藤が手がけている。「ビーズが散らばっている写真を撮ると、そのビーズから何が作れるかがわかるアプリを作りたい」というオーダーのもと、後藤がメインプログラマとして作った「アクアビーズカメラ」。それまでAIの技術に触れたことがなかった後藤だったが、悪戦苦闘しながらいまも改良を重ねている。

「AIを実装するための言語すら知らなかったので、本当にゼロからのスタートでした。でも、将来性のある分野なので、技術を吸収したいという思いが強くあって。アクアビーズカメラだけじゃなく、ほかの案件でもAIが活かせそうなものがあったら構想を練って、提案していきたいと思っています」

会社のなかで先陣をきって新しいことに挑戦する。ゼロからのスタートとなる難しい役割だと思うが、後藤は充実している様子だ。

「自分は楽天家なところが根っこにあるんだと思います。声優の養成所も『なんとかなるだろう』と思って受けてみたら合格したという経緯だったので、そういった成功体験が大きかったんでしょうね。それに、わからないことは積極的に人に聞きますし、聞く際に内容を説明しているうちに自分のなかで解決法が閃いたりもするので、『次になにか来ても、なんとかなるだろう』って思うんです。いまの自分の役割に適した性格なのかもしれません」

閃きの体験を
周りに広げられるような
エンジニアになりたい

新しいことに挑戦し続ける後藤が描く、少し未来の理想は「Lifebookがどんどん大きくなって、10人中1人くらいは知っているような会社になること」だという。

「なにかしらの新しいことで、社名が大きく出てほしいです。本当に何でもいいんですが、Lifebookと聞いたときに『あ、知ってる!』って言われたい。そのときのプロジェクトにたまたま自分が入っていたりすると、なお嬉しいですね。そのためにも、新しいことを続けていく必要があると思っています。個人としては、『とりあえず後藤に聞いておけば、何かわかるんじゃない?』って言われるようなエンジニアになりたいですね。その場で解決はしなくても、何かしらのヒントを与えたい。自分自身、閃きの体験がすごく好きなので、それをみんなに広げられるようなエンジニアになれたら嬉しいです」

ちなみに、前述の通り「演技だけじゃなく、ほかのことにも目を向けたい」と語った後藤はいま、将棋にハマっているそうだ。

「将棋のロジカルなところが好きですし、『こう指したら、相手はこう動くしかないから、そこにこう指して』といったように頭のなかで理想形を作れて、その通りに動いたときに……プログラムがバグなくスッと通ってくれたときと同じ快感があるんですよね。『きたー!』って思うんです(笑)」

楽しそうに語る後藤は、本当に“鉄砲玉”としての役割が向いているのだろう。ロジカルな思考と、ふいに訪れる閃き。その両方を好む彼を──会社はその性質を見抜いていたのか、はたまた偶然なのかはわからないが──最も適した役割に配置している。後藤の挑戦は始まったばかり。物怖じせず、やわらかな思考のまま、己の道を歩み続けてほしいと願うのだった。

後藤 大輝GOTO DAIKI

2014年、会津工業高校情報技術科卒業
2015年、株式会社Lifebookに入社

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