わらじは二足でも、三足でもDESIGNER大川 楓

自分がやってきたことを複合した
“唯一無二なもの”で1位を獲る

大学の美術学科で油絵を専攻した後、WEB業界に入り営業をしていたときに「デザイナーってかっこいいな」と憧れを抱いた大川楓。

「社内での部署異動を希望しましたが、なかなか叶わずデザインに携わる機会が訪れなくて……。『デザインする場がほしい』と転職を考えていたときに出会ったのがLifebookでした。社長の細貝さんに会って『こんなにフランクに話してくれる社長さんっているんだ!』と驚きましたし、色んな背景を持っている社員さんが多くて、それを会社の強みにしている文化が素敵だなと感じたのが第一印象です」

それぞれの背景を尊重し、個々の得意分野を活かしながら一丸となってプロジェクトを進めていくLifebookのスタイルは、自身の価値観に特にマッチしていたという。

「大学院を出て留学して……といった道のりを経たため、デザインの分野に入るタイミングが遅かったんです。その時点ですでに“デザインを極めていこうとしている人”には追いつかないというか。100mをすでに走っている人に追いつくのは難しいですよね。だから私は、『自分がやってきたことや他の分野を混ぜ合わせた“唯一無二なもの”で1位を目指そう。それだったら1位を獲れるかもしれない』と思っていて、Lifebookにもそういった人たちが集まっているような気がしたんです」

猪突猛進の理由は
「あと一歩で手が届きそう」

経験を混ぜ合わせた“唯一無二なもの”という観点では、たしかに大川のユニークさは突出している。じつは彼女は、現役のアスリートでもあるのだ。

「棒高跳びの選手として現在も競技を続けています。元々400mハードルをやっていましたが、大学で成績が伸びずに陸上を引退しようかと思っていたんです。その頃に棒高跳びと出会い、『陸上を辞める前に一度だけやってみようかな』と始めたら……関東インカレの出場が決まって、入賞して、1年後には日本選手権にも出場することができて、とトントン拍子で結果を出すことができたんです。そのまま今に至る感じですかね(笑)」

楽しそうに振り返る大川だが、その裏にはもちろん努力がある。しかも彼女はかなりの“猪突猛進型”だった。

「猪年だからか、性格的にも『これを達成したい』と思うと突っ走ってしまうところがあって。棒高跳びも結果を掴むために、朝4時起きで片道4時間かけて群馬へ行って、夕方まで練習していました。それを毎週末、土曜と日曜に続けていて(苦笑)。周りには『よくやるなあ』と思われていたかもしれませんが、『今はまだ自分の力が足りていないけれど、これをやりきったら手が届くかもしれない』という状態が、私にとって一番のモチベーションになるんです」

すべての経験を無駄にせず
“意外な組み合わせ”を楽しむ

Lifebookでも彼女の猪突猛進ぶりは健在のよう。正社員になって半年ほど経ったときに、役員から言われた「自分で提案してみる?」という言葉で火がつき、「そんなチャンスをもらえる機会はそうそうないし、自分にもできることを示したい」と、周囲のサポートを受けつつ完遂したのだった。

「先輩からはすごく怒られたんですが……連日寝る間も惜しんで提案書を作っていました。『無理だったらちゃんと言ってね』と言われましたが、無理という言葉は出したくなくて。『これを最後までやり遂げることができたら、きっとその先へ繋がるだろう』と、とにかくがむしゃらでしたね。自分の中に『早い時期からデザイナーをできなかった』という悔しさがあって、『それを逆に、自分の強みにすることができるかも』という気づきを得た瞬間でもあったので、チャンスをもらえてよかったなと思いました」

遠回りをしてきたなかで得た経験、そのすべてを自分の強みにできる。そう気づいたことで、より自由に、より積極的に“ひとつのことに縛られない生き方”を楽しめるようになったのではないだろうか。

「そうですね。アスリートとデザイナーもそうですが、『それとそれを同時にやってるのって変じゃない?』と思われそうなことでも、どこかで必ず相乗効果を発揮する機会があると思っています。例えば学生のときに初めて彫刻をやったら、予想外に褒められて……。それはきっと、自分が陸上をやっていて、人間の筋肉のつき方を熟知していたからだと思うんですよね。ひとつの物事に縛られず、意外なもの同士を繋げて武器にする自分のユニークさを今後も楽しみながら磨いていけたらと思っています」

デザイナー×アスリート
どちらかを諦める必要はない

現在もアスリートとして活動しながらLifebookで働く大川。採用面接時に「競技を続けたい」と相談したら、社長の細貝は「できるよ。面白いし、いいんじゃない?」と即答だったそう。その後役員と労働条件について協議し、週5日間勤務している。

「朝6時から働く日は、15時に退社して練習に向かうような生活です。競技場を使える時間が限られているので、融通が利く働き方ができるのはとてもありがたいですね。アスリートとして練習できて、睡眠もとれて、デザイナーとしても目標に向かって走ることができる。会社のみなさんも各自のスタイルに合わせた働き方をしているので、『自分だけ違う』という後ろめたさもないし、お互いに尊重して応援し合える環境だと思います」

デザイナーとしての目標は「デザインの力を活かして、スポーツの世界をより発展させること」。Lifebookのようなクライアントワークを手掛ける会社に所属していることで、いつかチャンスが巡ってくるのではないかと考える。

「スポーツの世界に影響を及ぼすような成果物を残したいです。棒高跳びが好きで続けていますが、それだけで終わらせたくないという気持ちもあります。『アスリートと会社員の両立は無理』みたいな風潮があるなかで、『自分が望む働き方を実現しながら、アスリートもできる』と私は体現したいんです。その結果として……私の場合はデザインとスポーツを掛け合わせた何かを残して、『ほら、できるでしょ? どちらかを諦める必要はないんだよ』と言いたい。Lifebookに所属していたら、それも夢ではないと思うんです」

そんな彼女がいつか極めたいと思っているのが「アウトドアスポーツをすべてやりきる」こと。山の頂上に行かないと見えない景色があるのと同様、波に乗ってみないと波の感覚はわからない。あらゆる場所で感覚を研ぎ澄ませ、そのすべてを吸収しながら、デザインも「おもいっきりやりたい!」と語るのだった。

大川 楓OHKAWA KAEDE

2017年、日本選手権初出場(女子棒高跳)
2020年、IT企業に入社、事業開発部の企画営業として就業
2020年、全日本実業団5位(女子棒高跳)
2022年、フリーランスでweb/UIUXデザイナーとして活動開始
2023年、東日本実業団2位(女子棒高跳)
2024年1月、株式会社Lifebookに入社。フルタイムで働きながら、陸上競技の選手としても活躍

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