Lifebookは、サービス開発で社会や人々の
ライフスタイルを変えていく会社です細貝 征弘(株式会社Lifebook 代表取締役)

株式会社Lifebook 代表取締役 細貝 征弘の写真

人の生活(Life)のなかに、
より良い変化が生まれるような媒介(Book)を作りたい

─2011年に設立したLifebook。当時はどんな思いで立ち上げたのでしょうか?
もともとは国際開発に興味があって、地域を良くしていく事業に取り組めたらいいなと思っていたんです。それで、学生時代に岐阜の地域活性を目的としたNPO法人「G-net」にインターンとして参加&理事として事業経営に関わったのち、株式会社リクルートに入社し、事業開発の部署で新規事業に携わりました。
そこで思ったのが、「やっぱり事業開発ってすごく面白いな」ということで……それぞれが強い思いを持ちながら、アイデアを駆使して世の中を変えていこうとするのが“事業”だと思うんです。「自分のやっていることで地域が良くなっていくんだ」と自負をもって事業に取り組んでいる経営者はカッコいいですし、自分も世の中を良くするための事業を立ち上げたいと思ってLifebookを設立しました。
─Lifebookという名前にした理由は?
「デジタルの教科書を作りたい」と思ったのが起業のきっかけですが、それって「人の生活(Life)のなかに、より良い変化が生まれるような媒介(Book)を作りたい」という思いがあったからなんですよね。それで、Lifebookという社名をつけました。
会社を立ち上げてからいろんな人たちと仕事をするなかで、「彼らがどういった未来を創っていきたいのか、どういった変化を起こしたらみんなが幸せになるのか」といったことをまずは考えるんですよね。最初は教育に関わることにフォーカスしていこうと思っていましたが、「その人のやっていることを手伝っていきながら、大きくしていく」という観点でLifebookの役割を考えていったほうが、僕自身が目指しているものに近いのかなと思い始めたんです。
人の思いやアイデアに寄り添いながら実現していけるチームが「媒介」となって、世の中を良くしていく。そういうチームをこの10年で作りあげてきましたし、今後も人数を増やしながらブラッシュアップしていきたいと思っているんです。
─クライアントと一緒に世の中をより良く変えていくためのチームであると。
クライアントに限ったことではなく、Lifebookのメンバーに対してもそう在りたいと思っています。アクセサリーブランドを自分でやっている田中さんや、湘南でフォトウェディングの事業をやっている成相さんなど、メンバーが取り組んでいるマイプロジェクトをサポートしていきたい。会社が大きくなれば、メンバーのマイプロジェクトに対してもチームを作ってサポートができると思うので、将来的にはそういったところもできるようになりたいですね。
メンバーそれぞれが「やりたい」と思っているものを、みんなで伸ばしていけるようなチームでいたいと思うんです。なにより僕自身も、やりたいことがいろいろとあるんです(笑)。
株式会社Lifebook 代表取締役 細貝 征弘の写真2

仲間として迎え入れるメンバーには、
少し大きな視点で自分の人生を考えてもらいたい

─Lifebookのメンバーの強みはどこにあると思いますか?
一緒に仕事をしていて心強いんです。「こういうことをやりたいな」と思ったときに、クリエイティブができる人がいて、エンジニアがいて、マーケができる人がいるので、自分が思い描いた未来が一つひとつ実現していくワクワク感がありますよね。しかも、「リスクがあるから難しいと思います」といったマイナス面だけを見るんじゃなくて、「面白そうですね」とプラス面を生かしていけるような視点でコミュニケーションが進んでいく。そういったメンバーが揃っているのは、とても心強いです。
クライアントとの距離感が近いというのもLifebookの特徴かもしれません。何年もご一緒している会社さんが多くて、新しい事業やサービスを作る際には必ずお声がけいただけるんです。かなり最初の段階から入って、一緒にビジネスの相談をしながら進めていくケースが多くて……信頼と期待をかけていただいているんでしょうね。
─クライアントに信頼されて長く関係が続くのはやりがいにもつながると思いますが、その一方で、ずっと同じお客さんと仕事していくことでメンバーのモチベーションが低下する可能性もあると思います。
ひとつの仕事が続いていくと、それが“作業”になってしまう可能性は多分にあると思います。でも、コミュニケーションが作業になってしまったらダメだと僕は思っていて。そうならないためにも「どういうサービスにしたいんだっけ?」とか「このサービスで何を実現したいんだっけ?」といったことを常に頭に入れながら、仕事に取り組むことが大切だと思っています。
それに、会社としてやっているメリットというのもあります。「こういうことにチャレンジしたい」と思ったときに、ひとりで働いているよりもチャレンジできる機会が多いですから。面談をはじめ、日頃からメンバーそれぞれが目指しているクリエイティブを聞くようにしていて、それに近いものができそうな機会があればアサインするようにしています。機会がなければ、僕のほうから取りに行こうともしていますね。
─メンバーそれぞれが何に興味を持っているか、どんなことをやりたいのかを普段から把握するようにしている、ということですね。
そうですね。年に一度、「2、3年後にどうなりたいか」を書いてもらう機会を設けていますし、半年に一度の振り返り面談では、本人とメンター、僕の三者で話すようにしているんです。月に一度は本人とメンターが話す機会を作っていて、「いまどういう気持ちなのか、どういう状況なのか、どんなことをしたいのか」など振り返るようにしています。
正直に言えば、僕自身はメンバーそれぞれの細かい業務について把握できていないところがあるのは否めませんが、それぞれがどんなことをしたいのか、どんな方向へ進みたいのかについてはしっかり掴めていると自負しています。採用の面談でも、その視点を一番大切にしていますね。
─というと?
「いま、この会社に入りたい」と思うのと、「5年後、10年後にこう在りたいからこの会社に入りたい」と思うのとでは、最終面談で話し方がまったく変わるじゃないですか。僕は後者を重要視しているんです。
Lifebookに入ったとしても、ずっと在籍するとは限りませんから……だからこそ、仲間として迎え入れるメンバーには少し大きな視点で自分の人生を考えてもらって、「どんな方向へ進みたいか。どんなキャリアを歩んでいきたいか」といったことを聞かせてほしいんです。それを僕らが理解したうえで、「それだったら、Lifebookでこういう機会を作れたら、いい時間を過ごしてもらえそうだね」という話ができますから。
─副業がOKだったり、週4日の勤務だったりと、メンバーのライフスタイルに会社が柔軟に合わせているのもそういった理由からですか?
そうですね。メンバーが求める働き方やライフスタイルが実現できるように会社の体制もアップデートしていければと思っているんです。例えば……実際に以前あった話ですが、将来的にはお花屋さんをやりたくて、いまはお花屋さんでアルバイトをしているという子が面接に来て、「自分でWEB制作ができれば、お花屋さんになったときにそのスキルが生かせるだろうから入りたい」と。そうやって赤裸々に話してくれるのはすごく嬉しいんです。「じゃあ、どうやったらそのビジョンを実現していけるだろうか」と一緒に考えることができますから。
─会社と一緒に模索しながら、自分のライフスタイルに合わせた働き方を考えていけるのは心強いですね。
制度がなかったとしても、試行錯誤しながら変えていけばいい。会社ありきではなく、みんなのライフスタイルありきの会社でありたいんです。それぞれの働き方が違うことにネガティブな人がいないというのも、Lifebookの大きな魅力ですよね。とてもいい雰囲気の会社だなと思います。関わっているメンバーに、良い人生を送ってもらえるような環境づくりを行っていく。最初にお話ししたテーマは“働き方”についても一貫しているんです。
─ということは、Lifebookにほしい人材としては「自分の生き方を積極的に考えている人」ですか?
「ほしい人材」という観点では、必ずしもそういう人じゃなくていいと思っています。それよりも重要なのは、物事に対してポジティブな人かどうか。物事をポジティブな方向に持っていけるように、みんなでコミュニケーションしていくことが重要ですから。ハイパフォーマンスはもちろん理想ですが、周りとコミュニケーションを取らずに自分だけで完結してしまうような人はLifebookには必要なくて……プロジェクトに対してコミットメントがありながら、良い方向に持っていける人が集まる会社であり続けたいんです。
会社に必要なスキルを持っている人であっても、そういったニュアンスが伝わらない人は採用していません。その人が入ることで会社としての能力が上がろうとも、やっぱり思想が違う人を入れる気にはならなくて……スキルだけで見てしまうと、人は道具になってしまいますから。道具ではなく、人として一緒に良いコラボレーションができるかどうかが重要なんです。それはメンバーだけでなく、仕事をお願いしている社外の方たち……「外注」と言わずに「パートナー」と呼んでいるんですが、彼らについても同様です。
─スキル以上にコミュニケーションを重視する?
そうですね。人を「リソース」と呼ぶことがあるかと思いますが、リソースって「資源」という意味じゃないですか。それってモノとして扱っていることになるんですよね。どんなに忙しくても、メンバーやパートナーをリソースのように扱う人はLifebookにはいません。
株式会社Lifebook 社員の写真

世の中を変えるサービス開発という
“僕らにしかできないこと”を尖らせていきたい

─創業から10年を経たいま、会社として思い描いているビジョンはどんなものでしょうか?
これまでいろんなことをやってきましたが、昨年度あたりから「本来大事にしていたテーマとは何か。それを実現するために、何に注力すべきか」と絞り込んでいった結果、「サービス開発に注力していこう」と方針が決まりました。それに加えて、Lifebookがやってきたこと、やっていることをきちんと世の中に伝えていく。
これまでは積極的に自分たちのことを伝えずにきていましたが、もう少し声を高らかに「私たちLifebookは、サービス開発をしていきながら社会や人々のライフスタイルを変えていく会社です」と言っていきたいと思っているんです。その思いに賛同した人たちと一緒になって世の中を変えていきたいし、そういったことに興味がある人をメンバーとして迎えていきながら、やれることを増やしていきたい。面白いメンバーが今後も増えていくと、組織はさらに面白い方向へと進んでいきますから。
─それらのビジョンを実現するためには、どんなことが必要ですか?
3年以内にいまの3倍くらいに組織を大きくしたいので、それに耐えうる組織作りを進めていく必要があると思っています。加えて、「僕らはどんなことができるか」というのをメンバーみんなで改めて確認して、“僕らにしかできないこと”を尖らせていく必要があります。クライアントから「こういう事業をやりたいです」と相談されたときに、その人が求めているものを適切に把握するためのヒアリングができて、それをもとに内容をまとめて、デジタルのサービスに落としていく力を会社全体でつけていきたい。
そのなかには、型で作れるものと、ユニークで作らないといけないものがあると思うんです。それらをきちんと仕訳して、型で作るところは機能と品質を高める。ユニークで作るところはクリエイティブにこだわるといったような、両方をやっていかないといけないと思っています。もちろん、どちらもベースとなるのはデータであることが前提です。
─コミュニケーションデザインのところはユニークで作っていく。言うなればLifefookの肝となるところであり、クライアントの求めることを深く理解できるメンバーが集まっているのがLifebookであると。そこで引き出したものをサービスに落としていくうえで、ノウハウとして蓄積してきた型が使える。そして、それらにはデータというベースがあるということですね。
そういうイメージです。“ただ作る”ということでは、僕らの目指すところには到達しないと思っているので……ユニークの部分と型の部分をどう構築していくか、まさにいま、試行錯誤しながらブラッシュアップしているところで、着実に土台ができあがってきている実感はありますね。そうやって“僕らにしかできないこと”を尖らせていくことで、Lifebookがいろんな人のニーズをとらえて評価されていければ嬉しいです。
株式会社Lifebook 代表取締役 細貝 征弘の写真3

ライフスタイルに寄り添う働き方を。
コロナ禍でアップデートしたワークスタイル

─コロナ禍で働き方も変わりました。そのことが会社に及ぼした影響は?
それまでは明確化されていなかった働き方について、コロナを機にLifebookとしての共通理解が育ちつつあります。大きくは2つあって……。
ひとつは「場所に縛られないワークスタイルとライフスタイル」ですね。メンバーそれぞれにとって一番働きやすい環境で、集中して業務を行なえるように。コロナ禍のいまはまだ難しいですが、将来的には旅をしながら働いたり、海外を含めた多拠点で働けるような組織にしていきたいと思っているんです。メンバーそれぞれが自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できるように。そのためにいまはリモートワークをメインに、六本木に集中業務スペースを設置して、情報共有の手段についてもアップデートを図っています。
もうひとつは「コミュニティがあるからこそ生まれる、メンバーの強みを活かしたコラボレーション」です。チームでの開発を大事にしながら、各職能のメンバーが強みを活かしてサービスやプロダクトを開発していけるように。そのために、ナレッジの共有や手法の共通化を図っています。
この2つを両立しながら会社を作っていくのが良いのではないかと、コロナを機にメンバーと一緒に理解を深められたのは大きかったと思います。
─オフィスを六本木のコワーキングスペース「SENQ」内に移転したのも、そういった理由があったのですね。
そうですね。「メンバーがコミュニケーションをとるスペースには、来たくなるような要素を持たないといけないんじゃないか」という提案があり、SENQを選びました。働き方の共通理解ができたことで、そういった提案がメンバーから上がってくる機会も増えたと思います。「オンラインでコミュニケーションをとる際に、こういうツールがあるから試してみよう」といったように、積極的に提案してもらえることで、コラボレーションの質も上がっている実感があります。
─ 一方で、コロナ禍によるマイナス面はありましたか?
僕もそうなんですが……リモートになると個人ワークに陥りがちなんですよね。会社としては「それぞれ自分のライフスタイルに合った働き方を模索しながらコラボレーションしていこう」というスタンスだったので、個人ワークが多くなったなかで働き方を考え直し、「自分のやりたいことにチャレンジしたい」と卒業していったメンバーもいました。
メンバーが新しいことに向かっていくのはとても嬉しいことですが、それを上回るようなワクワクを会社が提供できなかったというのは、僕自身とても反省しています。Lifebookにしかないバリューをしっかり提供できるように、コミュニケーションの在り方やチームとしての価値を高めていけたらと思っています。
ただ、卒業したメンバーとも変わらず交流はしていて、新天地で身につけたことをLifebookのメンバーに共有してもらうといった良い効果もあったりします。卒業したエンジニアと現メンバーで、新しく知った開発手法のディスカッションをする会も開催されているんです。
─では最後に、メンバーに向けてのメッセージを!
「僕をうまく使ってください」と伝えたいです(笑)。コロナの前までは「こういうことをやりたい」とフランクに相談してくれていたんですけど、リモートになって……僕が捕まらないというのが大きな原因かもしれませんが、そういった機会が減ってしまったんです。
ぜひ僕をうまく使ってもらって、自分のやりたいことを実現していってもらえると嬉しいですね。やりたいプロジェクトや取り組みたい技術、表現とかあったらどんどん教えてほしいですし、メンバーがやりたいと望む取り組みに、僕も一緒にチャレンジしたいです。
株式会社Lifebook 社員の写真2
株式会社Lifebook 代表取締役 細貝 征弘の写真4
細貝 征弘YUKIHIRO HOSOKAI

2011年 株式会社Lifebook創業
2015年 世界経済フォーラム(World Economic Forum)が選出する優れた起業家精神を持つ20代~30代の若手リーダー Globalshaperに選出。
2018年 コンサルティング及びWEBマーケティング支援を行う株式会社ギアーズを設立。事業開発、サービス開発を支援

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