ブレない初心を礎に。 野崎 将伍
「東京で一旗揚げる!」
決意を固めて飛び込んだ
“新たな挑戦”
Lifebookの創業メンバーである野崎将伍は、新卒で入った会社でエンジニアとして3年ほど働いていたときに、大学時代のゼミ仲間だった細貝から「新しく会社を立ち上げる」と聞き久しぶりに会うことにしたという。
「ちょうどタブレット端末が普及し始めた頃で、『人にフォーカスして、その人の空気感を表現できるような媒体を電子書籍で作りたい』と彼が言っていたんですね。自分がやってきたことを活かせそうな内容でしたし、新しい技術にも挑戦できそうだったので、手伝いたいと思いました。『うまくいかなかったらどうしよう?』という不安もありましたが、やってみたいという気持ちのほうが大きかったと思います」
意を決した野崎は、Lifebookを立ち上げるために名古屋から上京する。「いま振り返ると笑っちゃうんですが」と、心底おかしそうに上京時のエピソードを語ってくれた。
「『東京に一旗揚げに行くんだ!』という感じを出したくて、スーツケース1個に必要なものだけを詰めて、夜行列車の“ムーンライトながら”に乗るという……古式ゆかしい上京スタイルをとったんです。たまたま細貝も用事で近くに来ていたので、僕の上京に付き合ってくれて(笑)。東京の事務所は品川で降りたほうが近いのに、あえて東京駅で降りて『東京に来たんだな』とか言って……それまでも東京に遊びに来たことはあったのに、すごい構えて上京したんです(笑)」
目の前の仕事に
全力投球することが
のちの幸せに必ずつながる
そうして立ち上げたLifebookで最初に取り組んだのが、前述した“人にフォーカスした電子書籍”だった。
「ちょうど東日本大震災があった年でしたが、僕らがフォーカスしていた方が『被災地に物資を届けたい』と言うので同行したんです。振り返ってみると『いち技術者の僕まで、なぜついて行ったんだろう?』と思うのですが、当時はやることすべてが初めてだったので『僕も行かないと、理想とするものは作れないだろう』と、なんの疑問にも思わなかったんです。そうやって、当時はなんでもやるようにしていましたね」
電子書籍のプロジェクトのように“本来やりたかった仕事”だけでなく、会社を維持していくための仕事も増えてきたなかで、ふと「自分が思い描いていたものと、なにか違うな?」と感じることもあったという。それでも彼は目の前の仕事に全力投球してきた。
「創業当初だけでなく、それはいまでも同じです。これまで仕事をしてきたなかで関わった人たちを見ていると、『これは本当にやりたいことなんだろうか?』とか『自分がこの役目を担うのは不本意なんだけど』と思うような状況でも、とにかく全力を出して向き合っている人のほうが……その後の人生が幸せそうだなと感じるんです。いまは不本意でも、将来的には必ずその人にとってプラスになるという実例を多く見てきたので、僕も目の前のやるべきことに全力を出して、楽しむようにしているんです」
仕事自体の大変さ以外に
苦労はいらない
円滑なコミュニケーションを
つねに意識した働き方
現在はサーバーサイドエンジニアとしてシステムの設計・構築を担当する野崎。以前に比べて扱うプロジェクトも大きくなったため、社外パートナーと協力して仕事に取り組むことも増えてきた。だからこそ、仕事をするうえで心がけるべきは“伝え方”だという。
「コミュニケーションの取り方によって、仕事に臨む意識も変わる気がするんです。例えばエンジニアさんに『こういう風にしてほしいです』とお願いするときに、言い方や伝える手段によっても相手のテンションって変わってくるんじゃないかと思うので……なるべく雰囲気が悪くならないように。仕事なので大変なところはありますが、できるだけ楽しく取り組めるようにしたいと思っています。仕事自体の大変さ以外に苦労はいらないですから、プレッシャーや不快感をできるだけ相手に与えないようにしたいといつも思っています」
社外とのコミュニケーションだけでなく、社内の環境づくりに関しても「自分にできることがあれば柔軟に取り組んでいきたい」と語る。
「Lifebookは自分の考えを言いやすい会社だと思います。入社して半年くらいのメンバーが福利厚生の見直しプロジェクトを発起して、みんなから案を募ったんです。そうしたら、ものすごい数のアイデアが集まったので(笑)、実現できそうなものから見直しを始めています。最近適用されたのは、リモートワーク下での光熱費補助ですね。細貝も良いと思ったことはすぐに取り入れるタイプですし、みんなで会社を良くしていこうという姿勢があるんじゃないかと思います」
創業時の思いは変わらず
“夢を追う人”を応援する会社
であり続けたい
ところで、野崎にはひとつのことにこだわり尽くす“ハマり癖”があるらしい。
「カフェオレを作ったり、鶏ハムを作ったり、ホットケーキを焼いたりと、短期集中でのめり込む時期があるんです(笑)。カフェオレのときは、豆を挽くところから始まって、牛乳の脂肪分にもこだわって、比率や温度、豆や牛乳の種類を変えて、それをノートに細かく記していくんです(笑)。唐突な研究欲が出てきて、『これ以上の組み合わせはないだろう』と納得するまで続きます」
そう言って人好きのする笑顔をみせる彼と、どっしり構えて会社を支える岡田のエンジニア・コンビは絶妙なコンビネーションをみせている。
「僕は心配性なので、きちんと準備していても不安なときがあるんです。そんなときは岡田さんが『大丈夫です、いけます!』と背中を押してくれるので、すごく助かっています。もちろん、岡田さんもエンジニアとして根拠がないことに対して『いけます』とかは言わない人なので、責任をもって『いけます』と言ってくれているところに安心感がありますよね。僕だけでなく、会社にとっても“お守り的存在”だと思います(笑)」
そんな彼らと一緒に仕事をしていくエンジニアに求めるものとは──?
「新しくチャレンジすることにポジティブな人であってほしいです。エンジニアですから、プロジェクトの進行をみながら『ここまではできるけれど、これ以上はできない』とストップをかける判断力も必要ですが、その際に一瞬でも『なんとかする方法は本当にないかな?』と考えられるような人がいいなと思います」
「そして」と最後に彼が付け加えたのは、創業時に抱いた「Lifebookに関わる人の人生をより良くしたい」という願いだった。
「当時の思いを忘れずに、“夢を追っている人”を応援できるような会社でずっとあり続けたいと思います」
2008年、ITインフラ構築会社に入社、インフラ・バックエンドエンジニアとして就業
2011年、フリーランスのエンジニアとして株式会社Lifebookに参画、その後正社員として就業